リサイクルできないゴミの行方

現代、人間が暮らす上でゴミを出さずには生活できません。リサイクルやゴミを減らす取り組みなどが進んでいる今でも、まだまだ多くのゴミ問題が残っています。
焼却やリサイクルなどによってゴミの全体量を減らすことはできますが、リサイクルや再利用のできないゴミはどうなってしまうのでしょうか。
日本ではそのような行き場のないゴミが毎年500万トンほど最終処分場といわれる場所に埋められます。

日本が年間全体で出しているゴミの量は約4500万トン以上ですから、ゴミの1/9は最終処分場に行くということになります。決して少ない数字ではありません。
このような最終処理場には大きく分けると三つの区分があります。一つは、遮断型処分場です。
有害廃棄物など環境に影響を与えるような物質を含み、環境に変化を与えない安定化した状態までに長期時間がかかるゴミを処理する場合に使います。二つ目は安定型処分場です。

これは、無害な廃棄物で、埋め立てても環境に影響を与える恐れがないもののために使われます。そして三つ目は、管理型処分場です。
そこで扱われるゴミは前の二つに属すことができない、埋め立てた後にも維持管理を必要とするゴミが対象です。最終処分場といってもきちんと管理してゴミを扱うことにより、土壌や水質の汚染にならないように配慮がなされています。

今までは海洋投棄と土壌還元という二つの方面で最終処分場が設けられていましたが、2007年に海上投棄は廃止されました。現在では土壌還元として扱われる、海面埋め立てという方法を使うことでゴミが処理されています。
ただし、このようなゴミの処理には非常にコストがかかります。
無害なゴミ以外はすべて、その処分場が仮にゴミでいっぱいになり閉鎖されたとしても、浸出水の処理、有毒ガスが発生していないかどうかなどの測定、モニタリングを引き続き行う必要があります。

ゴミを埋め立てる場所も年々少なくなる一方で、以前に埋め立てた場所にもう一度ゴミを埋め立てられるまでに10年程度かかる場所や、一度遮断型処分場として使われた場所は環境汚染を考慮して、
もうその土地を使わないように決められたりしています。ですから、いくら処分場があるからといっても、私たちが真剣にゴミ問題について考えることは必須なのです。