産業廃棄物について

日本には、一般廃棄物と産業廃棄物を区別するための法律が存在します。
それは、廃棄物処理法という法律で、20種類の廃棄物が細かく指定されています。このようなゴミが事業活動を伴って出た場合には、産業廃棄物として処理する必要があります。
また、そのような産業廃棄物の中でも、爆発する可能性のあるもの、毒のあるもの、感染する恐れのあるものなどは、特別な処理をしなくてはならないため、特別管理産業廃棄物として扱う必要があります。

事業活動を行うなかで、その工場、または会社で出る指定されたゴミが全て産業廃棄物になるという訳ではありません。
たとえば紙くずは、紙を専門に扱う特定の事業活動で出た場合は産業廃棄物として、オフィスなどでシュレッダーにかけられた紙くずは一般廃棄物として扱われるなど、それぞれによって区分が設けられています。
このように、国が指定している廃棄物のうち、全ての事業者に関係するものと、特定の事業者にのみ関係するものがあります。

廃棄物処理法を無視したゴミの扱いをすると、懲役刑、または多額の罰金の支払い命令などの罰則が加えられることもあります。
事業者はきちんとしたゴミの分別だけにとどまらず、産業廃棄物についての知識も問われることになります。
また、事業者として、従業員やその仕事に携わる人たちを教育する、ということも必要になってくることでしょう。

法律違反をするつもりがなくても、事業者の場合はちょっとした行動が法律に触れてしまうこともあります。

一例として、漁業を営む人が、組合の工場で余った魚などを海に捨てた場合を考えてみましょう。
これは海産物を特定とする事業者が、原料として使用した動植物を固形状の不要物として海に捨てたということになり、不法投棄とみなされてしまうことがあり得ます。
私たちが住む地球の環境を守るためには、正しい知識を基にして、ゴミを適切に処理していくことが必要不可欠となっていきます。