環境問題の歴史

現代となっては環境への取り組みはよく聞かれるようになりました。では、具体的にいつ頃から環境問題について人は考えるようになったのでしょうか。
私たち人間が取り組んできた環境問題の歴史について少し振り返ってみましょう。その歴史は世界大戦が起きた時代にまで遡ります。

第二次世界大戦で日本は原爆を投下されるという悲しい過去を経験しました。原爆が環境に、また人体に多大な悪影響を及ぼしたことはいうまでもありません。
そのような大きな影響を受けつつも、日本は戦後著しい発展を経験していきます。1950年代から1960年代にかけて、公害が原因と思われる水俣病や四日市ぜんそくといった病気が流行するようになりました。
高度成長に伴い多くの人が公害で苦しんだ日本では、1967年に公害対策基本法という産業公害に対応する法律が制定されました。

一方その頃、世界では水爆実験などによる放射能汚染や、戦争で枯葉剤を大量に散布するといった人為的汚染が進んでいきます。
1970年代には東京で光化学スモッグが見られるようになり、更なる公害に関する法律が制定されていきます。世界的にもラムサール条約やロンドン条約、ワシントン条約と次々に国際条約が締結されていった年代でもあります。
特に、1972年6月5日から16日まで開かれた国連初の環境問題を議題とした国際会議では、ストックホルム宣言として知られる人間環境宣言や環境国際行動計画などが採択されました。

世界的に一気に環境への取り組みが注目を浴びた年代といえるでしょう。それでも、公害被害は収まらず、日本でも公害被害の訴訟が数多く起こることになりました。

1980年代になり、世界ではオゾン層の破壊が問題視されるようになりました。それを受け、ウィーン条約の採択やモントリオール議定書が採択されていきます。
2000年に入ってからも世界では環境保護のための条約などが採択され続けていますが、自然災害を食い止めるには至らず、洪水や台風などが猛威を振るい、世界各地で大きな被害が起きています。
また、動物たちが多く絶滅危惧種に指定されるなど、多くの問題は未だ解決されていません。