環境問題としておそらくもっとも広く知られているのが、森林破壊かもしれません。
木々が伐採されていくという分かりやすいイメージの一方、どこかで自分たちにはなじみが薄い問題だと考えがちではないでしょうか。
実際に、森林のそばに住んでいるのでもなければ、直接的な影響はないように思います。
しかし、実際には森林破壊は、地球規模で人類が考えていかなければいけないとても重要な課題なのです。
森林には大きく分けて、次のような役割があります。
食物連鎖の土台となって生物を育てる
落ち葉や死骸などから豊かな土を作る
地下に根を張って雨水の流出を防ぐ
二酸化炭素を吸収して大気汚染を浄化する
つまり、森は「生命」、「大地」、「水」、「空気」といったものをすべて支えている存在なのです。
これだけ深く自然と結びついているということは、それを破壊することで自然そのものに大きなダメージをあたえる、ということが分かっていただけるのではないでしょうか。
また、地球温暖化が大きな問題となっている現在では、きれいな空気を作り出す役割はその解決には欠かせません。
森林を守るということは、イコール地球を守ることと考えてもよいでしょう。
その森林は、現在ものすごいスピードで減っています。
2000年代の10年間で見たところ、その減少した面積は一年間に520万ha以上。
これは日本の面積の約半分で、1分に換算すると、何と東京ドームが2つずつ消滅していることになります。
しかも、そのうちの半分は砂漠となり、二度と緑が戻らなくなっているのです。
このスピードのまま森林破壊が進んでいくと、アマゾンもあと50年くらい経てば砂漠になると計算されています。
そもそも、なぜそれほど多くの森林が伐採されているのでしょうか。
何といっても大きな理由は、木材資源の確保です。それに次いで多いのが、焼畑などによる農地化です。
それにくわえ、レジャー施設の開発や、酸性雨、温暖化などの別の環境問題もからんでいます。
森林破壊は世界的な規模で広がっています。ヨーロッパや中国では、植林によって面積を増やすことに成功していますが、
それ以外の国ではほとんど減少傾向です。自国の経済発展のためにやっているので、
みずからこれを抑えるというのはなかなか難しいのでしょう。
したがって、森林破壊を解決するには国際協力が必要です。
今後も積極的に、森林の整備や保全を国境を超えて行っていく必要があるでしょう。
私たちにできることとしては、木材資源を大切に使い、4R活動を積極的に取り組んでいくことがもとめられています。